服が肌に触れる事に対して過敏

発達障害のある子どもの「問題と見られがちな行動」を実際に起こり得る具体例と共に考えてみたいと思います。もうじき3歳になるR君。最近保育園に入りました。ある日、ズボンが汚れてしまったので着替える事になりました。着替え終わり、いつものように遊び始めると、急にトイレへ行き股間をつまんで「痛い」と言い出しました。

その後も股間を押さえ、「痛い、痛い」と大騒ぎに。特に傷はなさそう、病気なのだろうかと保育園の先生たちは心配しました。R君は股間をズボンの上からつまむようにしていたので、先生たちはズボンを脱がしてあげて少し様子を見ていると、徐々に落ち着いてきました。そして、仕方がなく汚れていた元のズボンに穿き替えさせると、R君は「痛い」と言わなくなり、いつもと同じように遊べたのです。さて、この状況を整理してみましょう。R君はズボンを着替えた後、急に股間の痛みを訴えました。おしっこは出ないのにトイレと教室を行ったり来たりして動き回りました。R君はまだ入園して日は浅い。お母さんからはそんな事聞いてもいなかったし、初めての事だった為に、先生たちはケガや病気を疑いました。しかし外傷もなく、熱もありません。ズボンを脱がせて様子を見ると訴えは収まりました。という事は、騒ぎの原因はズボンという事になります。つまり、着替えたズボンの感触が不快で痛みを訴えていたのです。「ゴワゴワした服の感触が嫌!洗い立てのGパンは痛い!早く脱ぎたい!」そう訴えていたのかもしれません。後々振り返ってみると、R君は指先や手の過敏さがあり、粘土などを触れる事にも抵抗がありました。

でも服を着る事そのものに対しては特に大きなトラブルもなかった為に、ズボンの着替えも特に気にしていなかったのです。お母さんに話を聞くと、家でも穿きたがらない服やズボンはあったと言います。でも、単に子どもも好みだろうと気にしていなかったのだと言います。このケースの対応策としては、R君が拒否なく穿けるものを選ぶ事がポイントでしょう。試着してもらったり素材に触れてもらったりして抵抗のない物を選びます。また、必ず洗濯して、柔軟剤などを使用して糊付けはしないようにしましょう。感覚の問題は無理に慣らす事はできません。この場合、ズボンの購入と扱いに留意する必要がありますね。