安定した生活をする為には、安心できる場所・人の存在が重要になってくると思います。定型発達の子ども達の場合、乳児期に母親あるいは母親の役割を担っている大人との愛着を発展させる事で、人を信じる「基本的信頼感」を持つようになっていきます。

基本的信頼感があると、多少場所や人が違っていても安心して活動する事が出来ます。一方で、発達障害のある子ども達は他者と共感する力が弱く、この基本的信頼感が乳児期の時点で十分に形成されていない事があるのです。
また、場所の雰囲気や人の表情・話の意図等の目に見えない暗黙の事柄を察知する事が得意でない事も多いです。その為に不安を抱いてしまう事も少なくありません。ですので、何が起きるのか見て分かるような安心できる場所といつも変わらない接し方をしてくれる大人をたよりにします。
発達障害のある子ども達と信頼関係を結ぶポイント
大人は無意識に周りの人の反応を気にして、場所や状況に影響を受けた感情的な接し方になりがちです。
さらに、大人の予測したことと違う行動を子どもがとったりすると尚更いつもと違う感情的な言動になってしまう事も有るでしょう。そうなると、記憶力の良い発達障害のある子ども達は、「いつもと同じなようで、でもちょっと違う対応や言動不一致な対応」で混乱してしまったり、不安になってしまったりするのです。

そして、相手の大人に不信感さえも抱いてしまうなんてことも。発達障害のある子ども達が安定した生活を送る為にはどうすればよいでしょう。それは、定型発達の子ども達と同様に、人との信頼関係の形成が大切になってきます。まずは、大人が発達障害のある子ども特有の興味に付き合ってあげる事、子どもの言動を共有する事が大切です。
そして、変化にも敏感な子達です。変化の少ない対応をするように心がけてみてください。それから、写真やカードなどの視覚的な手がかりを用いて子どもが理解しやすいように工夫する必要もあるでしょう。
このようにわかりやすく関わってくれる大人に、発達障害のある子ども達は信頼を寄せてくれるようになります。その信頼関係のもと、新しい事や変化のある事に少しずつ取り組んでいきます。
「とにかく集団に入れましょう」でいいの?
「集団活動中が苦手だから、とにかく集団に慣れさせる為に集団に参加させよう」と子育てに際して考えるかもしれません。「出来ない事は、経験させる事で克服できる」という考え方に由来しているものと思われます。

ところが、発達障害のある子ども達は、そもそも集団での活動が不得手です。人と人とのちょっとしたやり取りや、色々な音の刺激等、通常では問題なく生活できるちょっとした事で苦しんでいる場合があります。その為、早い時期には過剰な負担になる事があるのです。とにかく集団いに入れてみて、みんなと同じように活動に参加させるという事は、子どもに混乱を与えかねません。
子どもからすれば大人からの配慮が無い中で、状況のわからないままに活動に参加させられる事になります。他の子どもからの働きかけの意図が分からなくて間違えた事を学んだり、活動の意味を理解できなくて場面に関係なく同じ事を繰り返して行ったりするかもしれません。それをまた大人に注意されて、でも子どもとしては何を行っているのか活動の意味を十分に理解できない為、余計にどうしたらいいのか分からなくなってしまうのです。
こうした状況が長く続いてくると、子どもは行う事の見通しが持てない為に、状況に関わらず周りからの働きかけに対して無気力になという事もあります。さらに、少しでも自分の思い通りにいかないと癇癪を起したり、そばにいる子を叩いてしまったりと迷惑をかけてしまう事も考えられます。ですので、何でもかんでも集団に入っていればOKという事ではないのです。
集団に入れる時の注意点
まずは子どもの行動をよく見て、どこまでの集団参加が可能なのかを知り、その集団に参加する事にどんな意味があるのか慎重に考えましょう。そして、ちょっと集団に参加出来たからといって、ずっと同じように出来るとは限らない事も念頭に置いておくべきでしょう。
その状況に合わせて、色々な参加の仕方がある事を周りの大人たちは了解しておきたいものです。また、その子に適した集団参加の時期も考えてみる必要はあると思います。例えば新学期だからと無理に集団に入れようとしなくても良いのです。「急いては事を仕損じる」とも言いますからね。

子どもも大人も他の子どもたちも「みんなと同じではなくても、色んな集団参加の仕方がある」という共通認識できている事が大切だと言えます。
